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花がら摘みに思う

花がらを摘んでいると、必ず思い出されることがあります。


あれはもう、何年も前、超ハードに働いていた頃のことでした。その頃、基本的には週休1日だったのですが、同僚たちの間では「せめて月休1日は確保したいよね」なんていう言葉が真剣に交わされるような状況でした。
その会社の忘年会での社長の訓示が、いまだに花がらを摘むたびによみがえります。

「皆さんはパンジーをずっと綺麗に咲かせるコツを知っていますか。それは、咲き終わった花をそのままにしないでどんどん摘み取ることです。そうすると新しい花が次々とまた咲くのです」

もしかして、今これを聞いたなら、ガーデニングに目覚めた社長がただ単にコツを伝授してくれたと素直に解釈することができるのかもしれません。

しかし。
その会社はとにかく若い社員が次々と辞めていく、いや、あまりの激務に辞めざるをえなくなっていく、そんな会社でした。そしてまた新しい社員が次々と入社するのです。

私たちってパンジーなんだ・・・
咲き終わったら摘み取られるんだね・・・
咲いてるうちが花ってことなんだね・・・


私も同僚も皆、そう思ったのでした。
そうして結局、同じ感想を持った皆が、それからしばらくして会社を去ることになりました。


もう忘れてもいいのに、やっぱり思い出すのです。
あの頃本当に頑張っていた自分を誇りに思いながら、その会社の今と将来を考えながら、
今のんびりと過ごせる時間に感謝しながら、花がらを摘むのです。

そして、何故かどうしても花がらを放っておけないでいます。
トラウマだなあ。



でもまあ、この言葉が忘れられないおかげでうちの花は常に花がらは綺麗に摘み取られているわけなので、これだけはあの社長に感謝しないといけませんね。

by chibipiyopiyo | 2007-04-07 12:37 | 庭いじり