タロウの気持ち
「僕ね、大人になっても、子供のときのことを忘れてしまいたくはないんだ」
・・・・・・・・はい?
なんですか、藪から棒に。
「だって僕、お母さんのおなかの中にいたときの事、忘れちゃってるんだ。でも、今のことを、忘れてしまいたくはないんだ」
ああ、そういうこと。
おなかの中の記憶なんて、持ってる人のほうが稀だわよ、アンタ。
「大丈夫よ。お母さんだって、そりゃ、少しは忘れちゃってることもあるけど、子供のときのこと、覚えてることだってたくさんあるから」
「うん!僕、忘れないよ!」
今、ジロウの誕生をとてもとても楽しみにして、おなかの中のジロウと色々会話している(つもりの)タロウにとって、おなかの中での経験も忘れてしまいたくなかったのかもしれませんね。
願わくばジロウが、タロウがこんな気持ちで待っててくれたことを、忘れてしまいませんように。
ま、忘れるも何も、そもそも理解することからかなり無理でしょうが。
「だって、ペンちゃん(ペンギンのぬいぐるみ)がね、タロウくんが大人になったらペンは誰と遊ぶの?って聞くの。だからね、僕が大人になってお父さんになったら、僕の子供と遊ぶんだよ、って言ったらね、ペンちゃん、そうかあ~って、喜んでたの。僕、赤ちゃんが出来たらペンちゃんをその子にあげるんだ」
・・・心配の対象は、ペンちゃんもでしたか。
なんだかなあ。
この子のこういうとこに、私はメロメロなんですよ。
by chibipiyopiyo | 2008-11-09 23:39 | 子供